「本能寺の変」
出演:芦田愛菜(たま・少女期役)/川口春奈(帰蝶/濃姫役)/門脇麦(駒役)/
芦田愛菜のログ
(部屋)
「父上、お久しうございます」
「蹴鞠が何度でもあればよいのにと思いました」
「はい。つづらに入れて持って歩きたいと言うておられます」
(部屋)
「思い出すとは忘るるか♪」
「忠興様が戦がお帰りになると、いつもおっしゃいます。わしがいない間は、わしのことなど忘れているのであろうと」
「いいえ。いつも思い出していますとお答えすると、わざとこの歌うを歌われるのです。思い出すのは忘れているときがあるからだ。忘れていなければ、思い出すとは言わないのだ。そういう歌なのです」
「よいお方です」
「きっと、そなたの父君がそういう世を作って下さると、忠興様がいつも言われます」
「嫁に行く前は、父上が戦でお亡くなりになったら、私もあとを追おうと思うておりました。今は忠興様と共に生き、死ぬのだと」
「命が二つあればよいのにと思います」
「父上も、長う生きて下さりませ」