「シリーズ『卒業』(1)YELL〜私の足あと」
出演:松永優(松永そら役)/佐藤実季/松永なつき/朝倉星利茄/井上蘭華/加古敦美/黒粼葵/中村葵/長谷川絵里/真城光紗紀/松野瑞季/
プロデューサー:滝沢昌弘
演出:角学
脚本:大野敏哉
音楽:後藤冬樹
主題歌:「YELL」いきものがかり
ログ
(イメージ・グラウンド)
佐藤実季:「待って!」
佐藤実季:「なんで?なんで私の足跡だけないの?」
(女子トイレ)
佐藤実季・松永なつき:「・・・」
佐藤実季:「松永さんには、いろんなウワサがある。タバコを吸ってるとか、ほかの学校の子と付き合っているとか、援交してるとか」
(教室)
佐藤実季:「ごめん、ちょっと先行ってて」
(学校・屋上)
佐藤実季:「あの、これ、トイレに忘れていってたよ、かわいいね、あ、中は見てないよ、うん、ほんとに。よし」
松永なつき:「なに?」
佐藤実季:「あ、あの、これ、トイレに」
松永なつき:「ありがとう」
佐藤実季:「うん」
佐藤実季:「あのー、松永さん、お昼、いつもここ?」
松永なつき:「うん」
佐藤実季:「そう」
佐藤実季:「一人ってどう?」
佐藤実季:「いいよね、屋上って、気持ちいいし」
松永なつき:「あのさー、そういうの疲れない?」
佐藤実季(ナレーション):「なんか、ドキッとした」
(部屋)
佐藤実季:「はぁ〜」
佐藤実季(ナレーション):「心の奥を、射抜かれたみたいで」
(屋上)
佐藤実季:「どうも」
佐藤実季:「あのー、松永さん」
佐藤実季:「なんかいいね、友達っぽくて」
佐藤実季:「あのー、なつき、聞いてもいいかな?」
佐藤実季:「私、どうしたらいいかな」
佐藤実季:「なつきってー、“変”だよね」
松永なつき:「はぁ?」
佐藤実季:「違う違う、タイル」
松永なつき:「あーあれ“変”じゃない、変わる」
佐藤実季:「私とー、友達になってくれる?」
松永なつき:「友達って、そうやってなるもんだっけ」
(学校・廊下)
佐藤実季:「あのー、先生」
佐藤実季:「ちょっとー、教えてほしいんですけど」
(部屋)
佐藤実季:「妹?」
松永なつき:「そう」
松永なつき:「そらっていうんだ、かわいいでしょ」
松永なつき:「あー、これリスカの跡」
佐藤実季:「どう、して?」
松永なつき:「なんか、生きてるって、実感ほしくてさ。でももうやめた。そんなことしても、全然意味ないって、気づいた」
松永なつき:「私、そらのおかげで、本気で変わんなきゃって、思えたんだよね」
佐藤実季:「変わるって、そういう意味だったんだね」
松永なつき:「そう、もう裏切られても平気。自分が裏切らなきゃいいんだから」
佐藤実季:「私、なつきのおかげで、変われるかもしれない。ありがとう」
松永なつき:「私も」
(屋上)
佐藤実季:「掃除ーしてたんだ」
松永なつき:「うん、私にとって、ここが一番大切だから」
松永なつき:「私はもっと先見てるし、もう少しでここから抜け出せる。早く抜け出してー、未来に足跡残すんだ」
佐藤実季:「ほんとうは寂しいんでしょ?平気だって言ってるけど、本当は寂しくてたまらないときも!」
松永なつき:「勝手に決めつけんなよ!寂しいわけないじゃん、私は変わったんだよ、わかったようなこと言うなよ」
(教室)
松永なつき:「佐藤さんは悪くないです。私が無理やり誘ったんで」
(部屋)
佐藤実季(ナレーション):「私は、最低だ」
(学校・廊下)
佐藤実季:「私、なつきを裏切りました」
佐藤実季:「本当のこと、言えなかったから」
佐藤実季:「弱いから」
佐藤実季:「自分で、自分にがっかりしました。なつきは、私のことを友達だって言ってくれたのに。あのときも、私を守ってくれたのに」
(教室)
佐藤実季:「あの!」
佐藤実季:「私ー、みんなに、話しがあるんです」
佐藤実季:「私ー、あのとき、本当のこと、言えませんでした。屋上に行ったのは、松永さん。なつきに誘われたからじゃないです」
佐藤実季:「あのとき、なつきは、屋上を掃除していました。自分にとって、一番大切な場所だからって」
佐藤実季:「なつき、ごめんなさい。私は、なつきの友達です」
佐藤実季:「私は、今のなつきが大好きです。一緒に、笑って卒業しよう」
佐藤実季:(;_;)